日常的に使用されている車は雨やホコリ、紫外線等の影響を必ず受け、それらは少なからず車体へダメージを蓄積させます。
その結果、塗装が剥がれてきたり、日焼けによって変色してしまう可能性もあります。

外的要因によってクリア層が剥がれている(皮が剝けているような状態)車を目にすることは多々ありますね。
そういった状況を回避し、なおかつ乗降車を快適に過ごすために駐車場に屋根を設置する(カーポートを設置する)ことを検討している人も多いかと思います。
なので今回は、駐車場に屋根を設置するメリットや理想的なサイズ等について記述していきます。
理想的な屋根のサイズ
種類
駐車場に屋根を設置するメリット
車体へのダメージを軽減できる
車は基本的に外で使用しますよね。その場合、雨雪・紫外線・ホコリ・ブレーキダスト・鳥のフン等といった屋外に存在するあらゆる汚れや劣化の元となるものの影響を受けます。
例えば雨雪ならば走行することで発生する小傷や凹みにより、塗面が弱まっている部分(もしくは塗装が剥がれている)へサビの発生を助長させてしまいます。
紫外線の場合は塗面へ直接的にダメージを与え、長期的に見たときに塗装の劣化(=分子結合の切断)を早め、ボディ本体である板金の保護機能が弱まります。
また、鳥のフンは有機物につき、同じ有機物である塗面と結びつきやすい性質にあるため、汚れによって見た目が悪くなることに加え、フンに含まれるアンモニアや酸は金属へかなり深刻な大ダメージ(腐食)を与えます。

アメリカでは鳥のフンが原因で高速道路が崩落してしまった事故がありました...。
そういった影響を軽減させられるのはやっぱり大きなメリットと言えます。
スムーズに乗降車できる
車から乗り降りする際、何か荷物を持っていることもありますよね。その際に雨や雪が降っている場合は荷物を保護するために急いでしまい、車体状態の確認が疎かになってしまうことも多いはず。
そうするともしタイヤに釘が刺さっていたり、実は当て逃げされていたとしてもそのことに気づくことができません。
特に当て逃げは事故が起こってから時間が経つほどに証拠が集めにくくなりやすいので、そのことに気づけなかったというのは致命傷になり得ます。
下記の記事でもまとめていますので参考にしてみて下さい。
また私の住むような雪国では、降雪時期は乗車前に車から雪下ろしをすることが当たり前となる地域が多くあります。
ただでさえ圧雪や路面の凍結により道が悪くなっているので、夏季時等よりもかなり運転時間が長くなるため、出勤前の雪下ろしは1秒でも早く終えたいところです。
その際に駐車場に屋根がかかっていれば、雪下ろしに掛ける時間を省け、その分を運転時間や周囲の雪かき・雪おろしに充てることができます。

雪国では降雪によってあらゆる予定が狂います...。
駐車スペース自体を保護できる
意外とイメージされにくいのが、駐車スペース自体の劣化です。
駐車スペースがコンクリートの場合、雨や降雪、紫外線等によってヒビ割れたり、水はけが悪ければコケが生えてしまったりすることがあります。
また砂利の場合はタイヤが回転することによって駐車時にタイヤが接地している一部だけが深く掘られてしまうことがあり、定期的に砂利を埋め戻さないと掘られることでできた穴へ雨や雪が溜まり、発進時の妨げになることもあります。
駐車場に屋根をかけることでこういった劣化を防いだり遅らせることができるという利点もあります。
物の仮置き場としても利用できる
大きな荷物などを車から降ろす際、屋内で使うものならば雨で湿った地面にできれば着けたくないですよね。
とはいえ重量、あるいは長尺につき搬入時の導線確保等の問題から一時的に地面に仮置きせざる得ない状況もあると思います。

仮置きするものが段ボール等の緩衝材に包まれていたとして、これから屋内に入れるその段ボール自体を濡らしたくないですよね。
そんな時、比較的キレイな=濡れていない場所が確保できれば助かります。
またその場所で交換したタイヤを洗ったり、車両がない時は自転車置き場としても活用できたりしますので、屋根が掛かっているだけでかなりそのスペースの活用方法が広がります。
これはよその駐車スペースを利用する際も同様ですね。
ただ、事前に屋根の有無もしくは周辺環境を知っていればより快適に車を使った用事を済ませることができます。
駐車場を事前に予約できるサービス「特P」なら、写真で駐車場および周辺環境を確認した上でその駐車場を利用できるので安心です。下記の記事でまとめています。
理想的な屋根のサイズ
屋根の理想的なサイズ
上記に挙げたような理由で屋根を求める場合、屋根はできることなら大きければ大きいほど良いですが、当然その分設置にかかる費用(カーポート本体代)も多くかかってしまいます。
ですがあまりに小さいとその役割を十分に果たすことができませんので、目安としては車両の幅・長さに対し、左右(前後)+1mほどが望ましいです。
また、高さに関しては車の全高+30~50cmほどとなります。
サイズ例(トヨタ ライズの場合) ・全長3997mm → 屋根の長さ6m
・全幅1695mm → 屋根の幅3.5m
・全高1620mm → 屋根の高さ2m

スポーツカーなんかは全高が低かったりしますので、あくまで参考です。
風の吹き込みやすい地域は高すぎない方が良い
柱部分の標準的な高さは1800mm~2000mmほどで、より高いものなら2300mm~2500mm、さらに高いクラスのものは2800mm~3000mmのものまであります。
昨今ではキャンプ等のアウトドアブームにつき大型SUVやワンボックスカーの人気が高まっており、それらをストレスなく駐車・バックドアの開閉をするために高さのある柱のタイプを注文される人も増えています。
ですが、高さがあればそれだけ雨や雪が吹き込みやすくなるため、そのカーポート内に車高の低い車を停めることがある、もしくは風が吹き込みやすい田園地帯や崖上付近に駐車場がある場合は、あえて背の高すぎないものを選ばれた方が雨避け機能をより高められます。

その目安となるのが車の全高+30~50cmとなります。
種類
カーポートは三協アルミさんやYKKさんなどのメーカーがさまざまなタイプのものを展開しています。その大まかなその種類については下記の通りです。
両側支持型
カーポートといえば、車を停めるスペースの四方に柱を立てるタイプが基本です。
両側を支持してあることによって上方・左右からの荷重や揺れへの強度に優れています。

降雪地域では雪自体の重量に耐えるために、やっぱりこのタイプが多いですね。
片側支持型
柱が車両の右側もしくは左側にのみあるので設置スペースが狭い場合に選ばれることが多いです。また、柱を設置するために必要となる掘削箇所が少なく済むというメリットもあります。
後方支持型
柱が後方にあるため、発進・停車時の障害物が少なくなり、すっきりとした見た目をしています。
後方側が低くなっているので、風向きによっては乗降車時に雨や雪が当たりやすくなってしまう可能性もありますが、強風が吹いている場合はガレージ等でもない限り少なからず当たってしまう場合が多いのでこのタイプを選んだという人も多いです。
また、素材については柱はサビに強く軽いアルミ素材が多く使われています。一方で価格を抑えたスチール素材のものもありますが、長期で考えた場合スチールは塗料による保護が必要なケースが多いです。
屋根部分については上記のアルミ、スチールの他に強度、耐候性、弾力性に富んだポリカーボネート素材を用いたものが選ばれることが多いです。
ポリカーボネートは樹脂なので加工性も高く、サイズやカラーのバリエーションも比較的多いのが特徴です。
まとめ
駐車場に屋根がかかっていることによって上記のような様々なメリットを得られます。
ただし当然設置には費用が掛かり、施工業者によって工賃は様々ですが、降雪地域は特に雪によってかなりの荷重がかかりますので、安かろう悪かろうでは大切な車や本人、そして近隣住民の方へ甚大な被害を被ってしまう可能性もあります。
お家を新築される、建て替えの予定がある、もしくは賃貸で引っ越しを考えている等、タイミングが合っているならばこの機会に!と検討してみるのも良いですが、そうでない場合はより慎重に計画を進めることをおすすめします。
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