車の走行距離が10万キロに達した時、追加のメンテナンスや乗り換えなんかについて検討される方も多いと思います。
本記事では、「10万キロ走った車の価値はどんなものか」などについて記述しています。
10万キロが乗り換えなどの一つの目安になっているワケ
継続して乗り続ける場合の注意点
10万キロ走っていても買取可能な場合は多い
10万キロは車にとって大きな節目であり、一昔前まではそのまま廃車にする人も多くいました。なので売却するとなればさほど価値もないように思う人もいるかもしれませんが、買取してもらえる可能性は多くあります。
理由は以下の通りです。
再利用できる部品があるから(=部品取り用買取)
ボディタイプによっては中古車でも全然需要があるから
車の性能の向上により、まだまだ走れる場合が多い
車は走行を続ける以上、様々なパーツが消耗され続けます。そのため、10万キロも走れば安全のためにメーカーとして交換を推奨するパーツ(ゴムや樹脂が使われているコード類や電装系部品など)がどうしても出てきます。
しかし、それらの部品類は交換することによって再度車の性能を発揮させることができるため、10万キロ走ったためそのまま廃車にしなければならないほどの劣化が疑われるケースはごく稀と言えます。
ただし、価値については車種やメンテナンスの程度、または買取を行う業者によってその後の扱いが異なるため、必ず走行距離に応じた相場通りになるとは限りませんのであしからず。

中古者買取サイトの買取価格例を真に受け過ぎないように。
再利用できる部品があるから(=部品取り用買取)
買取られた車は全て再度「車」として他のユーザーに使われる訳ではありません。業者によって異なりますが、車に多く使用されている鉄材は特に需要が高い上、その中には希少な価値のある金属が含まれる場合も多くあります。
つまり買取業者は買取った車をバラし、必要な部分のみを取り出し、その部品をさらに買取業者へ販売することになります。
そのため、業者からすれば中古車というよりも資源を低価格で仕入れる感覚になりますので、車としての性能が劣化していても問題ない場合があるのです。
ボディタイプによっては中古車でも全然需要があるから
10万キロ走った全車種が買取時に満足のいく価値がつくわけではなく、やはり車として再利用されるのであれば人気車種程高い値打ちが付きやすいです。
全世界的に人気が高まっているSUVや、幅広い層からの支持を得ているワンボックス、そして商業用として不動の人気を得ているトヨタ ハイエースのようなバンタイプなどは海外からの需要の高さもあり、買取時に比較的高額になりやすい傾向があります。

特にハイエースは、走行距離が10万キロを超えていても100万円の買取価格がつくことも多いにあり得ます。(状態による)
反対にセダンやスポーツタイプの車は重要のある層が比較的狭いため、販売価格が高かったとしても、価値が下がりやすい傾向があります。
10万キロが乗り換えなどの一つの目安になっているワケ
ここまで10万キロ走った車でも、その後引き続き走ることができたり、買取もしてもらえる可能性があることを記述してきましたが、一昔前まではそのくらい走ったら廃車も検討されることがありました。
そのため10万キロは乗り換えなどの一つの目安をされてきましたが、詳しくはどういった経緯でそのような認識が広まったのでしょうか。
昔は重要部品の耐久期間が短かった
主だったところでいうと、タイミングベルトが良く挙げられます。これはエンジンの吸排気のタイミングを制御するための部品で、ほとんどの交換が必要となるのが10万キロ走行後になります。
また、タイミングベルトの交換の際にはその周辺部品(ウォータポンプやオイルシールなど)も劣化が進み、交換が必要なケースもありその費用は10万円前後にも及ぶことがザラでした。
一方現行車であれば10万キロがネックとならないタイミングチェーンが使われている車種が多く、その交換の心配がいらなくなりつつあります。
10年という期間で走る距離の平均が10万キロくらいだから
10年間使用してきた車は内装・外装共に劣化が大きく進んでいる場合が多いです。
日本人の車ユーザーの平均走行距離が 約8,000キロ/年ほどなので、10年も乗り継続ければ大体10万キロとなり、見るからに「古い車」を認定されざるを得ません。
そこに来て上記のタイミングベルト交換問題や、10万というキリの良い数字を迎えることも相まって、乗り換えが検討されやすいポイントとなっていました。

10年も乗れば車両代の支払いは終わり、次の車の購入費もある程度は貯まってきているころだからっていうのもあるのかもしれません。笑
実際、10万キロ時点で交換すべき部品は多い
10万キロも走行していると、ドライバーがどれだけ大切に運転していたかに関わらず、経年劣化によって交換を要する部品は出てきます。
上記にもあげたタイミングベルトをはじめとして、バッテリーを充電するためのオルタネーターや、ブレーキのためのパッド、ワイヤー、ホース、そして硬化やヒビ割れの恐れが出てくるゴム部品などです。

部品によっては走行距離というよりも、製造後の経過年数によって劣化が進んでいる部品も多いですね。
また、ゴム部品等の消耗品は交換部品自体の価格はそれほど高くないものが多いかもしれません。(数千円程度/個)しかし、交換のためにかかる工賃や、交換時の代車費用、スケジュールの調整など、関連してかかってくる影響も考慮しなければなりません。
継続して乗り続ける場合の注意点
上記で10万キロを超えても走行し続けられる場合が多いことを記述しました。ただしその後も継続して乗り続けるのであれば以下のリスクが出てくることを念頭に置いておきましょう。
故障時、修理代が高くつく可能性がある
エンジン自体は20万キロ走行に耐えうる設計がなされていたりしますが、それも確実ではなく、故障した場合は多額の費用が掛かり、運転の仕方や走行状況によっては20万キロ以下でも不具合が生じてしまう可能性もゼロではありません。
雪国では融雪剤の塩化カルシウムを路面に撒くので、腹下周りのサビにも注意する必要があります。
腹下は普段目に見えないところなので一般の人であれば注意しにくいところかもしれませんが、車検時に排気のためのマフラーにサビによって穴が開いてしまって何十万円という費用が車検費用に加算されることもあります。

なので雪国では腹下の防サビコーティングは必須とも言えます…。
下取り・買取額がかなり下がっていく
今後車を乗り換えていくにあたって、今乗っている車を下取りや買取に出すことを検討する方は多いですよね。
しかし、10万キロ以上走行している車をいざ売却しようとすると、人気の車種でなければ下取り不可(処分のみ)になってしまったり、買取の際もほとんど希望以上の額には至らない場合が多いかもしれません。
なので、今後売却料を次の車の費用に充てるつもりなのであれば、なる早で動き始めるのが吉かと思います。
メンテナンスの意識が低くなりがち
永く同じ車に乗っていると、購入時は高かったメンテナンスに対する意識も年数の経過に応じてだんだんと低くなってくる人は多いです。
「どうせもう次の車検には通さないし。」などと気を抜いていると、思わぬタイミングで故障が発生し、想定外の出費や手間がかかってしまうことがあるので注意しましょう。

本来は年数が経過している車ほどメンテナンスはより重視しないとなんですがね。
また、メンテナンス意識の低下に関連して、傷に対する注意等も散漫になりがちです。
傷と買取額の関係については以下の記事でも紹介しています。
まとめ
10万キロは車にとって大きな通過点となります。
継続して乗るか、売却するか、今後のライフプランにも大きく関わってくるポイントでもありますので、それを迎える際にはその後の未来もイメージするよう心掛けておきましょう。
また、売却を検討するのであればより高価買取を狙えるオークション代行サービスを使った売却方法もおすすめです。以下の記事で詳しくまとめています。
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