【鉄がちぎれる?】車のタイヤの締め付けトルクを守るべき理由とやり方

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【鉄がちぎれる?】車のタイヤの締め付けトルクを守るべき理由とやり方メンテナンス
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雪国であれば車のタイヤ交換をお店に任せず、自分で行うという人も多いかと思います。

 

夏⇔冬タイヤの交換は日常的に車に取る場合は必ず年2回訪れることになり場合が多いので、自分で交換すれば費用の節約にもなりかなり経済的です。

 

ただし、昔ながらの力任せにボルトを締めてとにかく外れにくくしている人が結構いますが、それ...かなり危険です。

 

なので今回は、タイヤの締め付けトルクについて、および適切なトルク管理の方法等について記述していきます。

本記事の内容 車のタイヤの締め付けトルクとは?
 規定トルクを守らない場合のデメリット
 適切にトルクを自己管理するために

締め付けトルクとは

トルクはねじりの強さのこと

トルク(英語: torque )とは、回転軸の中心周りに働く力=ねじりの強さのことを差します。

 

トルクは日常生活の中でも様々なところで働いている力であり、例えばペットボトルのフタを締める力もトルクの一種です。

さた丸
さた丸

なんとなくトルクと聞くと工業の世界の話に聞こえるかもしれませんが、身近なところでもたくさん存在している力です。

 

そんなトルクはもちろん車を正常に動かすための働き(エンジンクランクシャフトを動かす際等)にも大きく関与していますが、車のホイールを車体に取り付けるためにハブボルトへナットを締め付ける際にも重要な力になります。

ハブボルト

↑ホイールとボルトを外した状態のハブボルト

 

トルクは車種によって違う

ホイールを車体へ付ける場合、各車両にはそれぞれ適切なトルク(規定トルク)が設定されています。

 

これは車のサイズや重量、馬力等が車両ごとにまちまちである=ハブボルトやホイールへかかる重量や負荷にバラつきがある為です。

 

なので、ホイールを取り付ける場合はそれぞれに設定されているトルクをもとにナットをハブボルトへ締め付ける必要があります。

さた丸
さた丸

各車両の締め付け規定トルクは各メーカーのHPや取扱説明書等に記載されていますよ。

 

なぜみんな自分でタイヤ交換できる?

各車両にトルクが設定されていることは分かりましたが、ここである疑問が浮かびます。

それは、「なんでみんなタイヤ交換するとき、トルクが分かるの?」という点です。

 

これは正直なところ、トルクレンチ等の力量を音や衝撃、目盛りで知らせてくれる機器を用いずにナットを締め付けている場合、ほとんどが適当だと思われます。

 

そしてそのほとんどはタイヤが外れないようにしっかり締めようと、オーバートルク(トルクの掛け過ぎ)になっていると言えるでしょう。

さた丸
さた丸

人間の力でもオーバートルクにしてしまう可能性は大いにあり得ます。

 

「え、緩く締めて外れるより良いのでは?」と思う人もいるかもしれません。

もちろん緩すぎて外れることもそうですが、強く締めすぎる場合も下記のように車体にとって大きな悪影響を与えることになります。

 

規程トルクを守らない場合のデメリット

規程トルクを守らないことによるデメリット

強く締め付け過ぎる場合

単純にボルトがねじ切れる可能性があります。

当然ハブボルトがねじ切れてしまえばナットで締め付ける対象が無くなってしまう(もしくは締め付け量が足りなくなる)ため、ホイールを車体へ取り付けられず、走行不可の状態になります。

 

実はトルクの掛け過ぎでボルトがねじ切れるというのはそれほど不思議なことではありません。

そのため、車のメンテナンス作業時に折れてしまうこともあるので、ハブボルトは交換できるようになっています。

 

成人男性が力いっぱいにナットを締め付けている場合、規定トルクを大幅に超えてしまっていることは十分に考えられます。

さた丸
さた丸

レンチに体重をかけて(レンチに乗って)締めるなんて、ボルトを折ろうとしていることと同じなので絶対にやめましょう。

 

緩すぎる場合

これは言わずもがな、脱輪(ホイールが外れる)の恐れがあります。

 

車中をジャッキが預かっている状態であればまだしも、ジャッキが外れている状態、そして走行中に脱輪すれば車体の下部(腹下)がズタズタになってしまうのみならず、ロアアーム(路面から、もしくはカーブ時にかかる力を受け止めるパーツ)等が損傷し、車の走行性能へ著しいダメージを与えてしまうことになります。

さた丸
さた丸

ロアアームが曲がるとタイヤの位置自体がズレてしまいます...。

 

タイヤは車重を預かる超重要パーツなので、タイヤ交換の際は締め付け過ぎもNGですが、絶対に緩んだまま作業を終えることの無いようにしましょう。

 

4輪でかかっているトルクがバラバラの場合

トルクを測定する機器を用いず、目分量(感覚)で作業を行っている場合、4輪それぞれに対してかかるトルク量にバラつきが生じやすくなります。

 

そうなると、4輪それぞれに適切に荷重や駆動力を受ける・伝えることができず、車両を動かす上でのバランスに支障をきたす可能性があります。

そうなると、目には見えない車体の内側で予想外の箇所へ負担が掛かってしまい、不具合の原因になり得ます。

さた丸
さた丸

普段2本足で歩行いている人に1本足だけで歩行させるようなものですね。

 

なので、タイヤ交換の際はしっかりと規定トルクを守り、4輪に対しそれぞれ適切な働き方をさせる必要があります。

 

タイヤ交換を自身で行う際は、下記の記事も参考にしてみて下さい。

 

適切にトルクを自己管理するために

トルクの自己管理

目分量(感覚)で作業を行うのはNG

日常的にレンチを持って人様の車のナットを締めているプロの人であればまだしも、タイヤ交換時くらいしか作業を行わない一般の人が手の感覚でトルクを把握するのは至難の業です。

さた丸
さた丸

私は家族の分も含め、1年に6回はタイヤ交換を行いますが、正直その他のタイヤ交換に関わる作業の疲れもあって、トルクを正確になんて感じ取れません...。

 

そして感覚でやっている人の多くは締めすぎ=オーバートルクになってしまっているため、タイヤの安定性を司るハブボルトへ大きな負荷をかけてしまっています。

 

なので、ただナットを回すだけなら負担・手間の軽減のために十字型のレンチで締めるのも良いですが、締め付け時にはトルクを感知できる工具を使いましょう。

 

トルクレンチを使えば簡単

そんなシビアなトルクですが、トルクを測定し、作業者へ適切なトルクを感知させる「トルクレンチ」を用いればいとも簡単に愛車のナットの締め具合を規定トルクに設定することが可能です。

 

おすすめは上記のように、表示計が無い=その分費用を抑えられるタイプがおすすめです。

 

というのも、タイヤ交換は一連の作業で行うので、都度トルク表示計を見るのが手間と感じてしまうシーンが多いからです。

 

さた丸
さた丸

5穴の車なら少なくとも20回は締めては表示計を見る必要があり、音などで知らせてくれるタイプはそれだけ値も張りますし、電池交換等の手間もかかってしまいます。

 

上記リンクのようなタイプはナットを締めていって、設定したトルクに達すると「カチッ」という音が鳴るだけのシンプルな仕組みですが、作業は確認も含めると何十回にも及ぶので、このくらいで十分な場合が多いです。

 

また、初めてトルクレンチを使用する場合は規定トルクに達した時に物足りなさ(締め切っていない感)を感じる場合が多いですが、実際に必要なトルクはその程度であると実感することができます。

 

締め直しを忘れずに

トルクレンチを用いてしっかりと締めたとしても、タイヤ装着後はタイヤ・ホイール・ナット・ハブボルトへ様々な負荷がかかります。

 

そのため、一度締めたはずのナットも少し走行してから再びトルクレンチであたってみると少し締めてから「カチッ」となる場合があります。

 

なので、一度締めた後は少し(数キロ)走行し、再びトルクを締める、または長距離を走る前にトルクレンチで各ナットをあたる等、締め直し作業を忘れずに行いましょう。

 

さた丸
さた丸

 

締め直し時にかなり締める必要がある場合はトルクレンチやナットに不具合が生じている可能性もありますので、別の工具や交換することをおすすめします。

 

まとめ

まとめ

タイヤを固定しているボルトは硬い金属ですし、人間の腕力で占めるなら安全のために全力で締めたく気持ちは分かります。

 

ですが上記の通り適切な力加減でないと、破損の可能性や修理が必要になってしまうことは多分にしてあり得る話なので、真の安全のために規定トルクは絶対に遵守しましょう。

さた丸
さた丸

走行中の車は危険物体以外の何ものでもありません...。

 

ただ、逆に言えば規定トルクという目安がしっかりと設定されている分、それを守れば十分に自分で作業できますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

 

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